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Friday 16 November 2012

patagonia

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映画パタゴニア(2010)。
オスカーの外国語映画部門へ正式出品された作品です。
映画サウンドトラックのジャケット♥


南米のパタゴニアと、ウェールズを舞台に
ウェールズ語テレビ放送局であるS4Cがアナタにお贈りする
ウェールズ語、英語、スペイン語で展開するストーリー。

何でウェールズとパタゴニア?とお思いかもしれませんが、
そんな当ブログ読者さまにクイズ。


「世界で、ウェールズ語を話す地域は?」







答えは、ウェールズ、、、、



と、パタゴニア!






日本人がブラジルに移民したみたいに、
約束の地を求めて、
自分たちの言語を話す自由を求めて
(ウェールズ語は長く使用を禁止された時代があります)
パタゴニアに行き着いた歴史が実際にあるのです。

カーディフにあるセントファーガンス国立民俗博物館の
パタゴニア移民に関する説明音声が流れるところから始まるこの映画、
ここで働くウェールズ人女性のグウェン、
その恋人で映画を撮影しているリースが微妙な関係を抱えたまま
パタゴニアへ向かい、

一方で、
ウェールズからパタゴニアに移民して数十年、
もう目が余り見えないながらももう一度故郷を見るため
老婆ケリスは
スペイン語とカタコトの英語しかできない孫アレハンドロを道連れに
一路、北ウェールズの美しい故郷を目指すのです。

物語は2つの旅を交互に移すロードムービー。






映画の最初から
エヴァンズだの、リースだの、ニアだの、
役者やスタッフの名前が超ウェールズですし笑、
映画の前半で出て来るカーディフの繁華街など
ギャーしってます、そのへん一昨日歩きましたけど!ていう感じで
ウェールズに馴染みのある人間にとっては興奮のツボを押しまくりなのですが、

その点を抜きにしても
この映画はとっても味のある素敵な映画だったと思います。


ケリスおばあちゃんが
ウェールズ入りするなり孫にインスタントカメラを渡し、
「ウェールズにいる私を撮って」と言うと
アレハンドロは「笑って」とカメラを構えます。

その瞬間の、ケリスのあの何とも言えないチャーミングな表情!


やっと優しくふるまってくれたウェールズのひとの好意に
'Nos da, cariad' (good night, my love)
というケリスの、夢見る様な微笑。


孫が、北ウェールズであの歌手ダフィ演じる少女シシィといい感じになるや
おばあちゃんが
「ほらね、だからパスポートはいつでも持ってなさいと言ったでしょ」
と悪戯っぽく笑う。




このおばあちゃん、
何て愛おしい存在なんでしょう!





もう一つの旅、
パタゴニアのグウェンとリースは
パタゴニアでウェールズ移民との旅の交流のなか
抱えてきたお互いの不安が、消えぬまま続いていきます。

うつくしくて、
メルヘンのような景色のウェールズの自然と、
のんびり流れて行くひたすら視界の開けたパタゴニアの景色。

それがいつの間にか
ちょっと希望を持ち込んでくれる予感の最後も
じんわりといい気持ち。




しかし、
ダフィが北ウェールズ出身で
あんなバリバリにウェールズ語話すとは
全く知らなんだ。。。


残念なことにこの映画、
日本では未公開でDVDも発売されてないようなのですが、
いつか、ご縁があればぜひに。。



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